富山県南米協会

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概要

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平成26年度 事業計画

Ⅰ 事業方針

 1910年以来、百年余にわたる本県出身者の南米移住を踏まえ、本会の設立目的に沿い、中南米において活躍されている移住者及び子弟家族との絆を大切にして、本県との連帯をより一層強める。
 とくに、移住者にとって父祖の郷土である富山の地縁・血縁並びに風土に培われた文化をよりどころとして、将来にわたり本県と移住先関係者との心の通う交流を深める。
 これらの活動を通じてラテンアメリカ地域との友好親善の促進に寄与するため、次に掲げる事業を実施する。

Ⅱ 事業計画

1.機関紙の発行事業
  1. (1)定期刊行物2種類

     中南米諸国に関する情報、本県関係者や移住家族等の消息及び県内の出来事を掲載して、機関紙2種類を毎年度6回(隔月で)発行する。
     なお、前年度から漢字に振りがなルビを付し、読みやすくしている。

    • ①「南米ととやま」2回発行
    • ②「南米協会だより」4回発行
     
  2. (2)会員及び現地県人に配布

     県内・国内の会員及び関係機関に配布するとともに、南米諸国に所在する県人会本部とその同支部にも航空便等により送付し、必要に応じ移住家族等にも配布する。

2.南米関係情報事業
  1. (1)南米関係情報の収集

     ブラジルの邦字新聞等を購読するのをはじめ、内外関係機関による定期刊行物、現地の県人会などから中南米地域に関する各種の新しい情報を積極的に収集する。

  2. (2) ホームページの維持更新

     本会の設立趣旨及び事業活動を外部に紹介するための、ホームページについては、2011年度に全面改訂し、ポルトガル語版のページも加えている。
     今後、一層内容を充実させるとともに、南米からのアクセス増加に対応できるよう工夫する。

3.ポルトガル語教室開催事業

 南米諸国を含め外国を理解し、友好親善の促進を図るためには、コミュニケーションの手段としての言語による対話が最も効果的であり、相手のことばと文化を知ることが重要である。
 本年度もブラジルの公用語であるポルトガル語教室を富山市(初級・入門)及び高岡市の両会場において開設する。

  1. (1)富山教室  会場 環日本海交流会館
    • ① 入門コース(木曜日) 講師 永山コニコ先生
    • ② 初級コース(金曜日) 講師 永山コニコ先生
  2. (2)高岡教室  会場 御旅屋セリオ
    • ① 初級コース(火曜日) 講師 諏訪 実 先生
4.留学生・海外技術研修員等の受入協力事業

 本県に毎年度招かれる南米諸国出身の県費留学生・海外技術研修員及び多文化共生推進研修員らが、滞在中に県内において行う交流活動等に対し、協力し支援する。

  1. (1)県費留学生(4月~翌3月、富大。人間発達科学部)
    • 三浦クラウジア明美 さん (21歳、女性、ブラジル)
  2. (2)海外技術研修員(6月~11月 民間IT会社CG)
    • 吉田ダニエル・アルベルト(24歳、男性、アルゼンチン)
      (曽祖父が高岡市福岡町赤丸村の出身)
  3. (3)多文化共生推進研修員(7月~11月、野村小学校)
    • ホジレイネ・アパレシーダ・コスタ さん(39歳、女性、ブラジル)
  • 〈参考〉
    • 富山県国際交流員
       国際交流員(ポルトガル語担当)は、県庁及び(公財)とやま国際センター(TIC)に勤務の傍ら、本会事業に協力されている。
       (2012年4月からシルバ・マチアス・ジョアン・ガブリエル氏)

5.郷土訪問者の歓迎事業
  1. (1) 一時帰国の移住関係者等に対する歓迎

     一時的に帰国し、県内に里帰りされる南米諸国からの訪問者に対し、効率的に短期間で郷土の発展と風土に親しんでもらうため希望に応じ関係機関と連携して、県内の産業・文化施設をはじめ、立山黒部、五箇山など自然景勝地へ同行し案内する。

  2. (2)留学生・研修員・交流員等の滞在経験者の歓迎

     かつて、本県に留学・研修、交流員等で滞在したOB等との絆を保つため、必要に応じ懇談会を開催して情報交換等を行う。

6.南米諸国関係者との友好・交流事業

 本県と南米諸国との文化・スポーツ、経済分野における友好親善の促進を図るため、機会を利用し交流パイプの強化に努める。

  1. (1)在南米富山県人会、進出企業等との交流

     南米の県人会及び同支部と協力し、現地で活躍する有力者をはじめ、本県での留学・研修経験者(立山フレンド会)組織との継続的な連絡調整を図り、「絆」の維持・強化に努める。
     また、現地で経済活動を展開し又は計画している本県関係企業等を通じて、将来における南米の発展を展望し、人材、技術、資源(食糧、エネルギー、鉱物)などの有機的な関係構築と交流を促す。

  2. (2)県内在住者との交流

     県内の大学、企業、行政機関等において、研究や技術習得のため在住している南米出身の留学生、研修員及び同伴家族と一般の県民との間における身近な交流機会の拡大に努める。

  3. (3)南米からの一般観光交流の促進

     南米から一般観光ツアーで団体が春の立山黒部アルペンルートの開通直後に「雪の大谷」を目的に訪れる(4月中旬、バス2台、71名うち日系人約7割)のをはじめ、今後、継続が期待される。
     観光関係者とともに歓迎の意思を伝えるための活動に協力する。

  4. (4)スポーツ交流
    • ア. 綱引きを通ずる交流
       国内の綱引競技強豪の城端綱引クラブは、「綱引き競技」を五輪大会の正式競技種目に復活させるため、南米各国を含む五大陸に普及し、啓発活動を行っている。
       本会はブラジル県人会と連携のうえ、同クラブがいずれ南米(日本祭り等)で競技綱引の普及啓発に取り組む機会に備え、協力する。

    • イ. サッカーを通ずる交流
       ワールドカップ・ブラジル大会が開催中で現地の気分は盛上がっている。前回南アフリカ大会 日本代表として活躍した田中マルクス闘莉王選手(名古屋グランパス)は、本県移住者(砺波市庄川町出身、旧姓松井)照子さんの孫である。
       また、本年1月13日には、第92回全国高校サッカー選手権において富山第一高等学校が全国制覇の快挙を果たした。

      • ① 本会は将来、サッカーを介する南米との交流促進事業を導入できるよう関係者とその機会を探る。
      • ② ワールドカップ・ブラジル大会における日本代表チームの動向、戦いぶりなどに関し、県内メディアから現地移住関係者及び県人会による「生の声」を報道するための協力要請に応える。
7.移住関係者への援護事業

 往時に比べ定着に伴い援護が求められる機会は、減少している。
 本会は、「移住者援護基金積立金」を備蓄し、本県出身の南米移住者及び家族が、万一の事故・火災・自然災害等の不慮の事態に遭遇された場合に支援できるように備えている。
 現地県人会との連絡調整のうえ、災害等からの当該家族の立直りのために支援が必要と認められるときは、この基金を取崩し、県人会等を通じ見舞金を贈る。

8.現地での日本語の普及事業

 ブラジルをはじめ中南米諸国の本県出身者の家族子弟の日本語学習に役立てるため、広く一般にも寄贈を呼びかけ、収集した書籍等の資料に加え、本会購入の新刊書と併せて南米各国の現地県人会の本部及び支部に対し、送付する。

  • ① 幼稚園、保育所の児童向きのやさしい絵本など、
  • ② 富山県の文化等を紹介する本やCD、ビデオなど
  • ③ 一般向けの図書
9.県内在住の南米出身者支援事業

 (2014年元旦)県内在住の南米日系人は、約2200人(うちブラジル2033人)の大部分は、所謂デカセギとその家族とみられる。
 本会は、日系人の厳しい経済状況に鑑み、民間支援団体等との連携の下で生活支援を行うほか、日系人児童・生徒の教育(高校進学の困難性)に関する問題などについて、地域レベルの支援体制の充実に向けて取り組む。

  1. (1)在住日系人の生活面の支援

     滞在資格、身分(婚姻、離婚)、労働、保育などのアドバイス

  2. (2)日系人の子どもの就学支援

     義務教育対象年齢の児童・生徒の日本語能力の向上を促し、意欲と能力があれば、高校以上に進学できる機会を増やす。

    • ア. 学習教材の支援(進学用補習受講者の補習用ドリル)
    • イ. 高校入学者の制服等の調達の斡旋
    • ウ. 高校進学のネック解消のための配慮措置の要請
10.県出身移住者名簿の補充・整備

 明治42(1909)年の県人初の南米移住から百年を経過し移住者家族の世代降下に伴い、母県との地縁や血縁意識が薄まる傾向にある。本会の基本的な姿勢として、県出身移住者の子弟が自己のルーツを訪ねることができるよう基礎資料を整備しておく。
 2012年に各県人会で名簿が再整備されたので、今後、継続してその補充に努める。

11.南米親善訪問団(2015)の準備
  1. (1)訪問の趣旨

     本会は、富山県及びブラジル県人会の慶事に合わせて5年毎の節目に南米親善訪問団を派遣継続してきたところである。
     同県人会は、既に2月の総会で明2015年の創立55周年式典の開催及び富山県からの訪問団を歓迎する旨を決定されている。
     南米協会は、県及び移住関係者らと協議し、2015年訪問団を、派遣するための準備を行う。

    • ① ブラジル富山県人会創立55周年
    • ② 富山県・サンパウロ州友好提携30周年
    • ③ 同友好記念奨学金制度発足20周年
  2. (2)26年度の準備業務
    • ア .時期と行程等
       県当局において県・州間及び県人会との調整により記念式典等の時期が決まれば、本会は一般県民を含む訪問団を派遣するための計画(行程、旅行業者の選定等)に着手する。
    • イ 県への要望
      秋には、県の来年度予算編成に向け、2015年訪問団が郷土の伝統文化及び特色を活かした効果的な交流を行うために必要な要望を行う。
12.南米関連イベントへの参加並びに協賛等

 県内で開催される中南米の紹介・交流関連イベント等で、本会の趣旨に照らし適切なものに対し、参加又は協賛・後援を行う。

  1. (1)ラテンアメリカ・フェステバル(第5回) 9月

     アンデス民謡グループとして国内外で音楽活動を行うWAYNO(ウエイノ 代表谷中秀治氏 富山市在住)等が中心になり、南米関係のボランティアが実行委員会を組織し主催して、秋に開催する。
     中南米紹介のため無料でプロの歌手、ダンサー等による芸能上演を楽しみ、「歌って踊って食べて笑顔になる」イベントに協賛する。

  2. (2)国際交流フェステバルへの参加 11月

     富山市国際交流協会が主催して、富山駅前のCiCビルにおいて県内の各国際交流団体がその活動を紹介するとともに各国出身の外国人居住者が多数参加し交流する。
     本会は、このフェステバルにパネル写真ほか資料等を出展し一般県民に対し、昭和初期からの南米移住開始以降の本県との交流関係を紹介し、併せて南米協会についてPRする。

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